現実世界のCASE FILE 現実世界のCASE FILE

2016年のヒルズボロ評決は何を認定したのか「Unlawful Killing」とサポーター無責任の結論

2016年のヒルズボロ評決は何を認定したのか|「Unlawful Killing」とサポーター無責任の結論

群集・施設事故

2016年4月26日、イングランド北西部Warringtonで続いていたヒルズボロの新たな検死審問で、陪審は一つの結論を出した。
1989年4月15日に死亡した当時の96人は、事故死ではなく「unlawfully killed」だった。

同じ陪審は、South Yorkshire Policeの試合前計画、Leppings Lane側の警備、指揮官の判断、Gate C開放後の対応に事故へつながる誤りや不作為があったと認定した。
さらに、スタジアムの設計・安全認証、Sheffield Wednesday FCの事前準備、設計顧問Eastwood & Partners、事故発生後の警察と救急の対応についても、それぞれ原因または死亡へ寄与した問題を認めた。

一方、長年繰り返された「リヴァプールのサポーター側にも原因があった」という説明について、陪審の答えは明確だった。
サポーターの行動がLeppings Laneの危険な状況を引き起こした、または寄与したかという問いに「No」
さらに「寄与した可能性があったか」という追加質問にも「No」と答えた。

ただし、この「unlawful killing」という言葉を、そのまま「David Duckenfieldが刑事裁判で有罪になった」と読み替えることはできない。
検死審問と刑事裁判は目的も手続きも異なる。
実際、2016年評決後に刑事訴追が行われたものの、Duckenfieldは2019年の再審でgross negligence manslaughterについて無罪となった。

第8回では、2014年から2年以上続いた新検死審問で陪審に示された14の一般質問を一つずつ整理する。
「誰が悪かったか」という一語ではなく、警察、スタジアム、クラブ、設計者、救急、サポーターについて、どこまでが2016年に正式に認定され、どこから先が別の刑事手続きだったのかを分けて読む。

なぜ、1989年の事故を2014年からもう一度検死したのか

ヒルズボロでは、1990年から1991年に最初の検死審問が行われていた。
当時の結論は「accidental death(事故死)」だった。

しかし、第7回で見た2012年のHillsborough Independent Panel(HIP)は、警察官の記録修正、救急対応、午後3時15分という従来のcut-off、事故後のサポーター責任論などについて重大な新資料を示した。

Attorney Generalは、この資料を受けて従来の検死評決を維持できるか再検討した。
2012年12月19日、High Courtは1991年の評決を破棄し、新たな検死審問を行うよう命じた。

新検死審問はLord Justice Sir John Goldringをcoronerとして、2014年3月31日にWarringtonで始まった。
政府の2016年議会声明によれば、陪審は296日間にわたって証拠を聴取した。
その後のIOPC最終報告では、審理全体は308日間に及び、1,000人を超える人物から証拠を得たと整理されている。

Operation ResolveとIPCC(後のIOPC)は、100万ページを超える捜査資料と数百時間の映像・音声資料を検死審問へ提供した。
1989年当日の各死亡者についても、映像、写真、証言を使った詳細な移動・救助の再構成が行われた。

これは「2012年報告の内容を確認するだけ」の審問ではなかった。
事故以前の計画から、当日の群集流動、警察指揮、スタジアム構造、救急対応、そして個々の死亡時刻と医学的原因までを、陪審が改めて判断した。

検死審問は「刑事裁判」ではない

ここで、英国のinquest(検死審問)の役割を整理しておく必要がある。

検死審問は、死亡した人物について、誰が死亡したか、いつ・どこで死亡したか、そしてどのように死亡したかを公的に調べる手続きである。
その過程で組織や個人の行為が詳細に検討されることはあるが、特定人物を犯罪者として有罪にし、刑罰を科す刑事裁判ではない。

そのため、2016年の陪審が「unlawful killing」と認定したことは非常に重い意味を持つが、特定の人物に対する刑事有罪判決ではない。
当時のHome Secretary Theresa Mayも、2016年4月27日の議会声明で、陪審の結論はcriminal liabilityの認定ではないと明確に説明している。

刑事責任を問うには、その後Crown Prosecution Serviceが刑事訴追を判断し、別の刑事裁判で証拠を審理する必要がある。
この違いが、第8回と第9回を分ける理由である。

FACT CHECK|「Unlawful Killing=特定警察官の有罪判決」なのか

違う。
2016年の新検死審問は、死亡者がどのように死亡したかについて「unlawful killing」という結論を出した。
しかし検死審問は特定人物の刑事責任を確定する裁判ではない。
実際、その後David Duckenfieldはgross negligence manslaughterで起訴されたが、2019年の刑事裁判では無罪となっている。

2016年当時の「Unlawful Killing」は、どの証明基準だったのか

この点は、現在の英国法と2016年当時を混同しない方がよい。

2016年のヒルズボロ新検死審問で陪審に出されたQuestion 6は、
「死亡者がunlawfully killedだったと、あなた方が確信できるか」
という趣旨で、実際の質問文には“Are you satisfied, so that you are sure”という表現が使われていた。

当時、検死審問でunlawful killingを結論づけるには、刑事手続きと同様の高い証明基準が適用されていた。
その基準で陪審は「Yes」と答えた。

なお、2020年の英国最高裁判所Maughan判決以降、現在の検死審問ではunlawful killingを含む結論についてcivil standard、つまりbalance of probabilities(可能性の衡量)が適用される。
したがって、2021年にAndrew Devineの死が検死された際と、2016年の96人についてのGoldring Inquestsでは、適用された証明基準が同じではない。

歴史的な2016年評決を読む場合は、後から変わった現在の基準を遡って当てはめないことが重要である。

陪審に出された「14の一般質問」

新検死審問では、陪審は単に「事故死か、unlawful killingか」だけを選んだわけではない。
South Yorkshire Police、Sheffield Wednesday FC、スタジアム設計、安全認証、South Yorkshire Metropolitan Ambulance Serviceなどについて、14の一般質問に回答した。

さらに各死亡者について、死亡時刻と医学的死因に関する個別質問も回答している。
この構造によって、「事故全体の原因」と「個々の死亡」を分けて検討できるようになっていた。

Question 陪審が判断した論点 回答
1 中央Penの圧迫とexit gateからの大量入場によって96人が死亡した、という基本事実 Yes
2 警察の試合前計画・準備に危険へ寄与する誤りや不作為があったか Yes
3 試合当日の警備にLeppings Lane側の危険へ寄与する誤りや不作為があったか Yes
4 警察指揮官にテラスの圧迫へ寄与する誤りや不作為があったか Yes
5 exit gate開放時、Control Boxの指揮官に圧迫へ寄与する誤りや不作為があったか Yes
6 死亡者はunlawfully killedだったか Yes
7 サポーターの行動がLeppings Laneの危険を引き起こした、または寄与したか No
7・追加 サポーターの行動が危険へ寄与した「可能性」があったか No
8 スタジアムの設計・建設・配置に事故へ寄与する危険または欠陥があったか Yes
9 Safety Certificateや安全監督に事故へ寄与する誤りや不作為があったか Yes
10 Sheffield Wednesday FCの事前管理・準備に危険へ寄与する誤りや不作為があったか Yes
11 クラブの「当日」の誤りが危険を直接引き起こした、または寄与したか No
11・追加 クラブの当日の誤りが危険へ寄与した「可能性」があったか Yes
12 Eastwood & Partnersは危険・不十分なスタジアム要素をもっと検出し助言すべきだったか Yes
13 圧迫発生後、警察の誤りや不作為が死亡へ寄与したか Yes
14 圧迫発生後、救急サービスSYMASの誤りや不作為が死亡へ寄与したか Yes

この14項目を見ると、2016年評決が「警察だけが悪い」と一行で済ませられる内容ではないことが分かる。
事故以前のスタジアム構造、安全認証、クラブ準備、設計者の助言、当日の警察指揮、事故後の救助・救急まで、複数層のSYSTEM failureとして認定されている。

Question 2〜5|警察には「事故前」と「当日」の両方で問題があった

警察に関する最初の4項目は、事故を一つの操作ミスに限定しない構造になっている。

Question 2では、4月15日以前のplanning and preparationに、当日の危険へ寄与する誤り・不作為があったと認定された。
これは第2回で扱った過去の圧迫事例や、第3回で扱ったキックオフ延期・入場計画などと関係する。

Question 3では、当日のLeppings Lane turnstiles周辺でのpolicingにも危険へ寄与する誤りがあったとされた。
つまり、計画段階だけでなく、実際の現場運用にも問題があった。

Question 4ではcommanding officersの行為・不作為がWest Terraceのcrushへ寄与したと認定。
Question 5ではさらに焦点を絞り、exit gatesを開く段階でPolice Control Boxの指揮官に、テラスの圧迫へ寄与する誤り・不作為があったとされた。

政府の2016年議会声明によれば、陪審は特に、Pen 3・4が満員だったためGate C開放要請より前に中央トンネルを閉鎖すべきだったこと、午後2時30分以降にまだ入場していない観客数を把握すべきだったこと、Gate Cが開く前にPen 3・4がcapacityへ達していたことを認識できなかった点を指摘した。

したがって、2016年評決が認定した警察側の問題は「Gate Cを開けた」という一瞬の判断より広い。

Question 7|サポーターについての答えは「No」だった

ヒルズボロの長期的な意味を理解するうえで、Question 7はQuestion 6と同じくらい重要である。

陪審は、football supportersの行動がLeppings Lane turnstilesの危険な状況を引き起こした、または寄与したかと問われた。
回答はNoだった。

さらに、直接原因・寄与とまではいえなくても「寄与した可能性」があったかという追加質問にもNoと回答した。

これは、「サポーターの中に飲酒者が一人もいなかった」「現場で警察との口論が一件もなかった」という意味ではない。
問われたのは、そうした行動が事故を生み出した危険状態の原因または寄与要因だったかである。
陪審は、それを否定した。

第6回で見た事故後のサポーター責任論に対して、2016年評決は法的な検死手続きの中で明確な回答を出したことになる。

FACT CHECK|「サポーターに一切問題行動がなかった」と認定したのか

そこまでの認定ではない。
Question 7が否定したのは、サポーターの行動がLeppings Laneの危険な状況を引き起こした、または寄与したという因果関係である。
個々の観客の飲酒、口論、その他の行動が一件もなかったことを証明する質問ではない。
事故原因と個別行動を混同しない必要がある。

Question 8〜12|スタジアム、クラブ、設計者にも問題が認定された

2016年評決は、事故原因を警察組織だけに限定していない。

Question 8では、Hillsborough Stadiumのdesign, construction and layoutに危険または欠陥があり、それが事故へ寄与したと認定された。
これは、第4回で見た中央トンネル、Pen 3・4、放射状フェンス、ピッチ側フェンス、非常時退出の制約などに関係する。

Question 9では、Safety Certificateとスタジアム安全監督にも、事故へ寄与する誤り・不作為があったとされた。
第2回で見たとおり、1979年のSafety Certificate発行後、West Terraceには1981年・1985年のフェンス追加など構造変更が加えられていたが、収容能力とcertificateの更新が十分に行われなかった。

Question 10では、Sheffield Wednesday FCとそのstaffについて、スタジアム管理および準決勝へ向けた事前準備に危険へ寄与する誤りがあったと認定された。

一方、Question 11はより限定的である。
4月15日「当日」のクラブスタッフの誤りが危険を直接引き起こした・寄与したかについてはNo
ただし、寄与した「可能性」があったかにはYesだった。

Question 12では、スタジアムのengineersであるEastwood & Partnersが、事故へ寄与した危険・不十分な特徴を検出し、クラブへ助言するためにもっと行動すべきだったと認定された。

この違いは重要である。
「クラブも有罪」「設計会社も有罪」と刑事裁判の言葉へ変換してはいけない。
陪審は、それぞれの組織・専門家の役割について事故原因との関係を検死審問上評価したのであり、各法人・個人の刑事責任を確定したわけではない。

Question 13・14|事故が始まった「後」の対応も死亡へ寄与した

Question 13と14は、事故の発生原因ではなく、圧迫が始まった後のloss of lifeを問うている。

Question 13では、crushが発生した後の警察に誤り・不作為があり、それが死亡へ寄与したと認定された。

Question 14では、South Yorkshire Metropolitan Ambulance Service(SYMAS)にも、事故発生後の誤り・不作為があり、死亡へ寄与したと認定された。

ここで陪審は、「事故を発生させた原因」と「発生後に被害を拡大させた要因」を分離している。

第5回で見たように、現場では警察官、観客、St John Ambulance、救急、消防が実際に救助へ動いていた。
その一方で、Major Incidentとしての宣言、Police Control Boxによる統合指揮、救急機関への情報共有、トリアージ・搬送の統一には重大な問題があった。

2016年の陪審は、それらを単なる「対応が理想的ではなかった」という評価ではなく、死亡へ寄与するerror or omissionとして認定した。

午後3時15分のcut-offも事実上崩れた

最初の検死審問では、午後3時15分が大きな境界として扱われた。
当時の病理学的見解から、その時刻までに死亡または不可逆的な状態へ達していたとされ、それ以降の救急対応は死亡原因の中心的検証から外れた。

2012年HIPはこの一律線引きへ疑問を示し、新たな検死審問では個々の死亡者について死亡時刻と医学的原因が改めて調べられた。

2016年4月27日の政府声明によれば、96人のうち1人を除き、陪審が記録した死亡時刻の範囲は、従来の午後3時15分cut-offを越えていた。

これは「95人が3時15分以降まで確実に生存していた」と単純化できるものではない。
time bracketは、証拠から特定できる死亡時刻の範囲であり、その上限が3時15分より後だったという意味である。

それでも、1991年の検死が採った「3時15分までで死亡状況を切る」という方法を維持できないことは明確になった。

Unlawful Killingが意味したもの

2016年4月26日の結論が歴史的だった理由は、単に英語の評決名称が変わったからではない。

1991年の「accidental death」は、事故として死亡したという枠組みだった。
それに対し、2016年の「unlawful killing」は、死亡が単なる不運や不可避な事故として起きたのではなく、法的に重大な人間の行為・不作為を伴って生じたという結論である。

そして同じquestionnaireで、警察計画、当日のpolicing、commanding officers、Gate C開放時のControl Box、事故発生後の警察対応にすべて「Yes」が並んだ。
一方、サポーター原因論は「No」だった。

この組み合わせによって、27年間争われてきた「責任の方向」が新しい検死手続きの中で明確になった。

ただし、そこから「誰がどの犯罪を犯したか」を決めるには別の手続きが必要だった。
だからこそ、2016年4月の時点で刑事捜査はまだ続いていた。

2016年評決は、現在の「97人」にどうつながるのか

2016年の新検死審問が扱ったのは当時の96人だった。

1993年にTony Blandが死亡したことで犠牲者数は96人となり、その人数で長年記憶されてきた。
しかし、事故当日に重い脳損傷を負ったAndrew Devineは、その後32年以上生存し、2021年7月27日に55歳で死亡した。

その後の検死で、coronerはDevineの死亡が1989年のHillsboroughで受けた負傷の直接的結果であり、「more likely than not」unlawfully killedだったと判断した。
これによってDevineは97人目の死亡者として公式に扱われることになった。

ここには法的な時点差がある。
2016年の96人については、当時の検死法上「so that you are sure」という高い基準で陪審が判断した。
2021年のDevineについては、2020年最高裁判決後のcivil standard、「more likely than not」が適用された。

結論の名称は同じ「unlawful killing」でも、証明基準の歴史的変化を無視して同一条件の判断と説明しない方が正確である。

2016年の結論と2025年最終報告は一致しているのか

2025年12月、IOPCとOperation Resolveは十年以上に及んだ大規模調査を総括する最終報告を公表した。

その報告は、2016年Goldring Inquestsの中心的結論を覆していない。
むしろ、警察の試合前計画、当日の対応、事故後の処理について追加資料を検証したうえで、HIPとGoldring Inquestsの警察行動に関する結論と整合するとしている。

サポーターについても、事故を引き起こした、または寄与したという警察側の主張を支持する証拠は改めて確認されなかった。

したがって2026年時点で、第8回の中心事実は次のように整理できる。

論点 2016年新検死審問 2025年最終報告との関係
当時の96人の死亡 Unlawful Killing 結論を支持・整合
警察の計画・指揮 事故へ寄与する誤り・不作為あり さらに詳細な失敗を確認
サポーター 事故原因・寄与要因ではない 同じ結論
スタジアム安全 設計・安全認証等に問題あり Green Guide等との不整合を詳細化
事故後の警察・救急 死亡へ寄与する誤り・不作為あり command & controlの欠陥等を詳細化

では、なぜその後の刑事裁判では無罪になったのか

ここで最も大きな疑問が残る。

2016年には96人がunlawfully killedと認定された。
警察指揮の誤りも、事故へ寄与したとされた。
それなら、なぜ2019年にDavid Duckenfieldはgross negligence manslaughterで無罪になったのか。

この二つは矛盾しているように見えるが、判断した問いが違う。

検死審問では、死亡がどのように起きたかを判断し、特定人物を刑事有罪にすることはできない。
刑事裁判では、検察側が起訴した特定被告について、犯罪を構成する各要件を刑事手続きの証明基準で立証する必要がある。

さらに、ヒルズボロ後の刑事手続きではDuckenfieldだけが対象になったわけではない。
Sheffield Wednesdayの元Secretary兼safety officerであるGraham MackrellはHealth and Safety at Work etc. Act違反で有罪となった。
警察官accountsの修正をめぐる別の刑事裁判も行われたが、2021年に裁判官がno case to answerとして終了させている。

次回は、2016年の「Unlawful Killing」の後に誰が起訴され、どの裁判で何が争われ、なぜ検死審問と刑事裁判の結論が同じ形にならなかったのかを整理する。

結論|2016年評決が確定したのは「事故の責任構造」だった

2016年の新検死審問を「96人がunlawfully killedとされた」という一文だけで覚えると、重要な半分を失う。

陪審は14の質問によって、事故の成立条件を分解した。

警察の計画には問題があった。
当日の警備にも問題があった。
commanding officersの判断にも問題があった。
Gate C開放時のControl Boxにも問題があった。
スタジアム構造と安全認証にも問題があった。
クラブの事前準備にも問題があった。
設計顧問にも、もっと対応すべき点があった。
事故後の警察と救急にも、死亡へ寄与する誤りがあった。

そして、サポーターの行動については、原因または寄与要因ではなかった。

この組み合わせが、2016年評決の本質である。
ヒルズボロは「群衆が暴走して起きた偶発事故」ではなく、複数の安全・指揮・構造システムの失敗によって成立し、その後の緊急対応にも問題があった出来事として公的に再定義された。

ただし、検死審問が明らかにした責任構造を、特定人物の刑事有罪へ自動変換することはできない。
それを判断するのが、次に続いた刑事裁判だった。

前の記事:

第7回 ヒルズボロ独立委員会は何を明らかにしたのか|2012年、過去の記録を再検証する

次の記事:

第9回 ヒルズボロでは誰が裁かれたのか|Duckenfield裁判と刑事責任の結末

CASE FILE 15|全記事

  1. 第1回 ヒルズボロの悲劇とは?|1989年の群集事故と36年にわたる真相究明
  2. 第2回 ヒルズボロでは何度も危険が起きていた|1981年の圧迫事故と見直されなかった安全性
  3. 第3回 1989年4月15日、ヒルズボロで何が起きたのか|入場開始から試合中止までの時系列
  4. 第4回 なぜ中央ペンに人が集中したのか|Gate C・トンネル・Pen 3・4を図解する
  5. 第5回 群集圧迫はなぜ止められなかったのか|警察指揮と救急・救助対応を検証する
  6. 第6回 なぜリヴァプールサポーターが責められたのか|事故後の警察説明と報道を追う
  7. 第7回 ヒルズボロ独立委員会は何を明らかにしたのか|2012年、過去の記録を再検証する
  8. 第8回 2016年のヒルズボロ評決は何を認定したのか|「Unlawful Killing」とサポーター無責任の結論 [現在の記事]
  9. 第9回 ヒルズボロでは誰が裁かれたのか|Duckenfield裁判と刑事責任の結末
  10. 第10回 ヒルズボロの悲劇は何を変えたのか|スタジアム安全改革から「Hillsborough Law」法案まで

出典・参考資料

本記事は、2016年4月27日のHome Officeによる陪審評決全文、IOPC・Operation Resolveの2025年最終報告、Courts and Tribunals Judiciaryの現行coroner guidanceを照合して構成しています。
2016年の「unlawful killing」は検死審問上の結論であり、特定人物の刑事有罪判決として扱っていません。
また、2016年当時は「so that you are sure」という当時の高い証明基準で判断されましたが、2020年Maughan判決後の現在は検死審問のunlawful killingにもcivil standardが適用されるため、2021年Andrew Devineの検死と証明基準を混同していません。